山田錦の産地、糸島
山田錦は日本全国の中でも極めて限られた地域でのみ栽培されています。
なぜなら長幹穂重型であるために倒伏しやすく酒米の最高峰たる山田錦本来の魅力を
損なわないように栽培するための条件や技術にとても高い水準を必要とするからです。
そのなかで福岡県は山田錦の生産量において全国二位の地位を占め、
そのうちの大半が糸島地区で栽培されています。
雄町種の全盛期であった明治大正時代から特に優秀な
酒米の銘産地として糸島地区は知られています。
土壌、地形、気候という恵まれた自然条件のみならず、歴史ある篤農家の栽培技術に
よって現在は最高品質の山田錦が栽培されています。
福岡県北西部に位置する糸島地区の中で前原市と二丈町の一部である背振山脈の麓、
標高60〜90mの砂壌土の棚田で特に選ばれた農家によって
大切に育てられた山田錦はその厳しい品質管理によって
福岡の清酒醸造家にとってかけがえのない宝物になっています。

大正末期に誕生した山田錦は現在でも品質を追求する清酒造りに最適な
原料米品種として尊用されていますが、そもそも当時の清酒造りにおける理想を実現した品種なのです。
山田錦は粒が大きな軟質心白米であるため、精米特性や原料処理において優れており
清酒造りの理想とせれる外硬内軟(がいこうないなん)の蒸米調理に最も適しています。
また、麹菌も破精込みやすいため力強い麹造りにも理想的であり、
なおかつ低温溶解性にも優れているため当時主流だった山廃の育成にも最適でした。
入念な手造りの技法が主流だった時代に最高の技術を発揮するための
原料米品種として山田錦は誕生したのです。
これらの優れた特性により近年では大吟醸酒などの高品質清酒にとって
絶対的な信頼のおける原料米として全国各地の清酒醸造家に羨望されています。
また、山田錦ならではの上品な味わいは多くの清酒愛好家の認めるところです。









